管理番号 | 38 |
年度 | 2000年 |
研究テーマ | 酪農流域河川における融雪期の汚濁負荷流出に関する研究 |
研究者名 | 山本忠男 |
所属 | 北海道大学大学院農学研究科 |
分類 | 環境科学 |
キーワード1 | 環境 |
キーワード2 | 水質 |
キーワード3 | 畜産 |
キーワード4 | |
テキスト | 38 平成12年度 酪農流域河川における融雪期の汚濁負荷流出に関する研究 山本忠男 はじめに 近年,農業流域における地下水の硝酸態窒素汚染や,河川・湖沼の富栄養化など,農地から水系への汚濁物質の流出が取りざたされている.積雪地域の農業流域では,これらの汚濁物質は融雪水と共に河川に流出するため,融雪期間における汚濁物質の流出量が大きく,下流域への影響は多大なものと推定される.この期間の流出負荷は,年間総負荷の約半分を占めるとする報告もある(大村・黒川,1991).冬期間流域に堆積した雪が春期に融解し,融雪水となって河川に流出する現象が融雪流出である.気温や日射による積雪上層での融雪水は,浸透する際,雪粒子による捕捉,積雪層内での滞留・再凍結を繰り返す(藤野,1979).積雪層内に氷盤があって下方浸透が妨げられる場合には,融雪水は横方向へも移動するが,融雪が進行すると大部分が地表面に到達することになる.地表面に達した融雪水は,土壌が凍結していない場合は地下に侵入し,地盤が凍結していたり飽和状態の場合は地表面流出する.ただし,河川に流出する過程で,表面流去水が地下に侵入する場合や,地下浸透した融雪水が復帰流として表面流となることも考えられる.このように,融雪水の流出経路は積雪内,地下,地表面の大別でき,これに地下水を合わせて,融雪期の河川水が構成される.土壌凍結しない多雪流域では,融雪水の大部分は一旦地盤に侵入にしてから河川に流出する(小林,1979).一方,釧路や根室地方など北海道東部地域では,当期の積雪が少ないうえに寒さの厳しい小雪寒冷地域となっており,冬期間に土壌が凍結する.凍結した土壌は難透水層となり,融雪水の侵入を妨げるため,融雪融凍期の水質水文環境は多雪地域とは大きく異なることが予想される.本研究では,北海道東部の大規模酪農流域を対象として,土壌凍結状況下における融雪融凍期の水質・水文特性および汚濁負荷流出状況を把握することを目的とした.調査対象は,北海道東部浜中地区の大規模酪農流域であり,土地利用状況や河川形状,河畔の状態,飼養頭数等と河川水質形成要因との関係について検討した. |
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