霧多布湿原学術研究支援成果データベース

ひとつ前に戻る

管理番号54
年度2003年
研究テーマ浜中湾における絶滅危惧種オオアマモの現存量と生育環境との関係
研究者名渡辺雅子
所属北海道大学大学院理学研究科
分類植物分類
キーワード1植物
キーワード2生態
キーワード3
キーワード4
テキスト54 平成15年度
   浜中湾における絶滅危惧種オオアマモの現存量と生育環境との関係 渡辺雅子
はじめに
北日本沿岸にはアマモ属の海草数種で構成される多様性の高い海草藻場が形成され、その中にはオオアマモやスゲアマモ、タチアマモなどの日本近海の固有種が含まれる。このうちオオアマモは分布域が減少し絶滅が危倶されている種である。その分布は国内では北海道、岩手県、富山県の一部と限られている。岩手県における分布は最近発見されたばかりであるが、小さなパッチの存在が確認されているだけである。また富山県における分布については以前の調査では確認されているが、その後の調査で、はオオアマモの分布は確認されなかった。北海道の分布については以前の調査により函館、虻田、広尾、厚岸、浜中、知床(Ohwi,1932; Miki,1932; Yamaga,1932)で確認されている。以前の報告によると、浜中湾のオオアマモ藻場は広大であり、絶滅危倶種であるオオアマモのとても貴重な生育場所である。またその現存量が大きいと推定されることから、浜中湾内の生態系において重要な位置を占めていると考えられる。これまでにおける浜中湾でのオオアマモについての調査は、ウバガイの生育に重要な関係を持つ海草として単位面積あたりの現存量や密度などの調査はされているが、湾内におけるオオアマモ藻場全体の推定現存量や生育環境についての詳細な調査はされていない。また、浜中湾の隣に位置する琵琶瀬湾においては今までオオアマモが生育していたという報告がなく、もちろん現存量の調査もされていない。そこで本研究では浜中湾及び琵琶瀬湾において1)分布域と生育環境の調査、2) 現存量の推定をすることによりオオアマモの分布や現存量と生育環境との関係を明らかにし、また道内における他の調査地に生育するオオアマモの現存量や生育環境などと比較し、保全のための基礎資料を得ることを目的とし研究を行った。
ドキュメント ダウンロード (1.91 MB)