霧多布湿原学術研究支援成果データベース

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管理番号48
年度2002年
研究テーマ浜中町でのエコツーリズムの展開方策についての研究
研究者名吉岡宏高
所属札幌学院大学
分類観光
キーワード1観光
キーワード2
キーワード3
キーワード4
テキスト48 平成14年度
   浜中町でのエコツーリズムの展開方策についての研究 吉岡宏高
浜中町でエコツーリズムを展開しようとしても、本当にお客さんが来てくれるのかどうか?…実は、まだあまり研究が進んでいません。そこで、本当にエコツーリズムに参加してくれるようなお客さんがいるのかどうか、エコツーリズムを展開する場合にはどんなお客さんを大事にしたら良いのかについて研究してみました。エコツーリズムが成立すめためには、そもそもお客さんが来てくれなければ成立しません(… 人数)。でも、ただ来てくれただけではアッという間に町内を一巡して帰ってしまうかもしれません。そこで、エコツーリズムに参加してもらうためには、お客さんが町内でゆっくり滞在してくれることが必要です(… 滞在時間)。さらに、ただ滞在していただけでは、浜中の良さをわかってもらうことができません。馬に乗ったり、海に乗り出したり、湿原の回りをゆっくり歩いたりしてもらうと良いでしょう。そのためには、町民の皆さんが案内したり、自分たちがいかに浜中の自然を大事に思っているかを伝えたりする必要があります。(… 接触の機会)。そこでは、うまくいったら自分の作ったり採ったりしたモノを買ってくれるかもしれませんし、帰ってからも浜中のことを忘れないでPRしてくれるかもしれません。そうすることによって、ただ浜中に来て黙って帰ってゆくお客さんよりも、「また浜中に行ってみよう」と思ってくれる人が多くなることでしょう(…回数)。このように、エコツーリズムが成立するためには、ただ多くの人が来れば良いという訳ではありません。それでなくても、自然というのは脆いものです。たくさんの人が来すぎると、逆に自然が壊れてしまう危険性もあるのです。同じお客さんを相手にするのなら、浜中に長く滞在してくれたり何回も来てくれて、浜中のファンになってくれる人をおもてなしした方が町民の皆さんにとってもやり甲斐があるし、効果があってお得です。 人数、 滞在時間、 接触機会、 回数という4つの要因のうち、 接触機会は浜中に長く滞在してもらえれるのであれば、あとは何とかやりようがあります。問題は、 人数、 滞在時間、 回数がどうなっているのかです。浜中に来ているお客さん調べた調査から、その辺がどうなっているのか分析してみました。 人数では、浜中に来る前後にどういう行動をしているかが重要です。三割の人が、浜中に来る時に根釧台地周辺と知床を一緒に回っており、浜中の前後に知床(ウトロ・羅臼)や弟子屈に宿泊しています。また、四割が札幌など道央圏から浜中にかけて長距離を動き回っており、特に初めて浜中に来た人はこの傾向が強いです。1割の人は他を回らず浜中だけを目的に来てくれているのですが、これは何回も浜中に来た人に多く見られます。知床や弟子屈との連絡をスムーズにしたり一緒になって情報提供するなど、うまくやってゆく必要があります。 滞在時間と 回数は、密接な関係にあります。浜中に来たことがある回数が増えるほど、滞在時間は長くなります。初めての人は平均20時間ですが、3回目の人は27時間、4回目以上の人は32時間にもなります。また、回数が増えるに従って、浜中以外の場所にあまり行かずに、浜中の回りをじっくり回る人が多くなっています。いま現に浜中に来ているお客さんを大切にして浜中を好きになってもらうことが、長く滞在してくれる人を増やすキッカケになることがわかります。そのためにも、浜中にある自然資源をもとにお客さんと接触する機会を増やすことが必要で、これがエコツーリズムを盛んにすることにへとつながってゆきます。
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