霧多布湿原学術研究支援成果データベース

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管理番号43
年度2001年
研究テーマ霧多布湿原およびその周辺部におけるエジシカの生態についての研究
研究者名河田幸視
所属京都大学大学院農学研究科
分類動物生態
キーワード1動物
キーワード2生態
キーワード3
キーワード4
テキスト43 平成13年度
   霧多布湿原およびその周辺部におけるエゾシカの生態についての研究 河田幸視
0-2 本研究の目的
近年エゾシカの個体数が増加し、様々な被害が報告されるようになっている。釧路支庁地域政策部地域政策課[1998]によれば、道東4支庁のエゾシカ個体数は12万頭、釧路支庁管内の農林業被害は15億円に達している。このような状況から、平成10年から「道東地域エゾシカ保護管理計画」に基づく個体数調整がおこなわれており、また、平成12年には北海道環境生活部から「エゾシカ保護管理計画」が出されている。道東地域はエゾシカによる被害が特に問題となっている地域であるが、エゾシカの生態が十分に解明されておらず、適切な対応がされているとはまだいい難い状況である。湿原では、これまでほとんどエゾシカが目視されなかったが、ここ数年利用度が高まっている。道東地区には霧多布湿原をはじめ、釧路湿原、別寒辺牛湿原などラムサール条約登録地になっている重要な湿地が多く、湿原におけるエゾシカの生態特性の解明が必要だが、そのような研究はほとんど手付かずなのが現状である。そこで本研究では、霧多布湿原を植生や土地特性により区分し、糞粒法を用いてゾーンごとにエゾシカの利用度がどの程度異なっているか把握する(第2部)。本調査の結果を霧多布湿原の植生調査とクロスさせれば、特定の植生や稀少種が食害や踏圧等により過大利用され危機的状況に陥る危険性がないかを指摘することが可能となるだろう。また、エゾシカの行動は湿原のみに限られているわけではないため、湿原周辺部におけるエゾシカ被害について、主として文献調査を基に概略をまとめる(第1部)。
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